大学eラーニングの今
第3回 千歳科学技術大学のリメディアル教育
~すぐれた教材と自作体制~
大学生の学力低下が問題になっている。大学の授業を理解できるだけの学力、自ら学ぶ習慣を持たない学生が増え、リメディアル教育、入学前教育、初年次教育などに取り組む大学が増えているが、教育法のノウハウ、要員、日程など多くの面で制約がある。千歳科学技術大学では、1998年の設立当初から学力低下を予測、eラーニングを活用したリメディアル教育について研究、実践を進めてきた。開発したeラーニング教材は1万5,000近くに達しており、学生の学力、学ぶ習慣を育てるとともに、地域の高校とも連携し、高校の教育力の向上や特色づくりに貢献している。千歳科学技術大学のeラーニングの構築、研究を進めてきた小松川浩教授に聞いた。
全学でeラーニング
千歳科学技術大学は、光科学を専門とする理工系単科大学で、「総合光科学部」と大学院の「光科学研究科」を擁する。「学生一人一人が主役の大学」「eラーニングなど基礎教育の充実」などを理念に掲げ、千歳空港に近いキャンパスで約1,000名が学んでいる。
千歳科技大では、リメディアル教育から卒業に向けたキャリア教育まで大学全体でeラーニングを行っている。遠隔教育としてではなく、キャンパスでのeラーニングが基本で、コアカリキュラムでは、対面授業とeラーニングを組み合わせたブレンディッドラーニングからさまざまなデジタル教材を活用した授業などほほ全学でeラーニングに取り組んでいる。
1年生は「数学」「物理」「化学」「情報」などほとんどの科目でeラーニングを使うので、必修の「情報」の授業で、eラーニングの導入教育を行い、eラーニングの学び方を教える。「新入生にeラーニングをやらせると、ゲーム感覚になってしまいます。画面をジーっと見つめたまま、問題を読んで、『○』や『×』を入力し続ける。しかし、学習はクイズや当て物ではありません。自分で考えて、解かないと学習にならない。だから、紙と鉛筆を使って問題を解いて、その答えを確認する道具として、eラーニングを使うことを教える必要があります。それを1年生でしっかり教えます」と小松川教授は言う。

