大学eラーニングの今

第2回 青山学院大学「eLPCO」

-eラーニングの専門家育成と質保証-

大学や大学院でeラーニングを運用し、教育効果を上げるには、システムの運用管理、授業設計から学習支援まで、さまざまな人的支援と組織的な取り組みが必要だ。そこで、eラーニングの知識と実践経験を持つ専門家が求められるが、日本ではeラーニングの専門家が職業として確立されておらず、育成する体制もない。その現状を打破し、eラーニングを活用した質の高い教育を目指し、青山学院大学は「eラーニング専門家」の育成教育を始めた。「eラーニングをトリガーにした教育のパラダイムシフト」を実現すべく、「世界に通用する専門家育成プログラムの開発と普及」を掲げて研究と実践を進めている。

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5職種

青山学院大学(武藤元昭学長)は2006年に「e-Learning専門家の人材育成」プログラムをスタートさせた。eラーニングの授業を実施する上で不可欠な5職種の専門家の育成を目指し、26科目を開設している。eラーニングの専門家を学際的、体系的に育成する大学の学部として日本で初めての取り組みだ。大学の3、4年生と大学院生を対象に、5職種それぞれで9科目を履修するカリキュラムになっている。2007年度までに3、4年生と院生を合わせて460人が履修登録した。

このプログラムを修了し、「総合試験」に合格すると、その職種の専門家として認定される。さらに、このプログラムはeラーニングの普及促進を目的にした業界団体「日本イーラーニングコンソシアム(eLC)」のeラーニングプロフェッショナル(eLP)資格と連携し、育成したeラーニング人材が社会的に活躍できる環境も視野に入れている。

人材育成プログラムの開発、運営は「eラーニング人材育成研究センター」(eLPCO=Research center for e-Learning Professional Competency)が行っている。eLPCOは5職種について「eラーニング開発・運用の全範囲をカバーし、高等教育でeラーニングの課題を解消するために必要な人材を網羅している」と自負し、5つの専門職と人材像を次のように定義している。

  • インストラクショナルデザイナ=インストラクショナルデザインの手法を用いてeラーニングの教育プログラムを設計、評価する専門家。eラーニングコースの分析・設計・評価フェーズのリーダで、コース開発の提案からコース設計を行い、最終的なコースの評価を行う。
  • コンテンツスペシャリスト=eラーニングの教育プログラムの設計を反映して、適用すべきメディアの特徴を踏まえた教材を制作する専門家。開発フェーズのリーダで、教材制作をマネージする。
  • インストラクタ=授業を通じて教授活動をする専門家(教員)。実施フェーズにおいて教授活動を行い、学習者の評価(成績をつけるなど)を行う。
  • メンタ=eラーニングにおいて、学習者に対する質疑応答や情意面からの学習支援を行い、学生の主体的な学習に対する動機付けを行う専門家。SRL(Self-Regulated Learning : 自己調整学習)のeラーニングにおいて学習者に対して動機づけを行う。
  • ラーニングシステムプロデューサ=学習管理システムの運用やコンテンツ管理を通して、技術的な側面から授業運営を支援する専門家。実施フェーズのリーダで、eラーニングシステムの管理・運用やシステムの改良を行う。

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