大学eラーニングの今
第10回 ケータイで体験型の授業を実現 青山学院大学
◇ 理解度チェック
伊藤助教の毎回の授業で、ケータイを7~8回は使い、授業の最初と最後には理解度のチェックを行う。授業開始前に、その日、学ぶ内容に関するキーワードを提示し「各キーワードについて簡単に説明できるものをチェックして、ケータイで送れ」と指示する。そして授業の最後に同じ指示をする。事前テスト、事後テストである。
ある授業では、事前のチェックで「説明できる」は「Winny」23%、「フィッシング」35%、「情報漏えい」67%、「SQLインジェクション」2%などだった。 しかし、事後チェックでは「Winny」74%、「フィッシング」92%、「情報漏えい」96%、「SQLインジェクション」69%などで、すべてのキーワードで半数以上が「説明できる」と答えた。伊藤助教は「ケータイではリアルタイムで学生の理解度が分かる。それが大きなメリット」と言う。この授業でも、事後チェックの結果を見て、理解度の低かった項目について、その場で簡単に補足説明を行った。
◇ケータイと伊藤助教の授業

学生の理解度についてのアンケート結果を説明する伊藤助教
ケータイを活用する大学教員は増えている。出席の確認からアンケートなど学生とのやり取り、課題の提出などさまざまな工夫が生まれている。伊藤助教は、ケータイの利点は「学生がいつも持っているものだということ」と言う。その上で「単に学生とのインタラクションを目指すのではなく、その先を行きたいと思った。テーマに応じてケータイを活用する。SQLインジェクションを理解させるために、ケータイの質問項目の窓が、まさにSQLインジェクションのログインの窓になっているとか、出席パスワードと一般的なパスワードと結び付けるとか、ケータイの機能を活かした授業を考えている」と言う。
情報セキュリティの授業については「技術を詳細に説明し、難しく教えることもできるが、それはしない。大学1年生には、学生の知識や体験に通じるような教え方がよいと思っている。そこで情報やセキュリティに興味を持ち、将来、仕事で必要になった時に専門的なことを学べばよいと思う。セキュリティ関係の事件は日常茶飯事だが、それがどういう仕組みで起きるのか、なぜ情報漏えいがなくならないのかという根本的なこと、理由について学生はあまり考えない。この授業を受けると、『なぜ』ということを理解できるというようにしたい」と話した。
◇参考サイト
伊藤先生のホームページ http://sw.si.aoyama.ac.jp/
青山学院大学社会情報学部 http://www.si.aoyama.ac.jp/
